附置研究所・研究センター


最終更新日
2016/07/27


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京都大学附置研究所・センター
Kyoto University Institutes and Centers (KUIC)


第37回品川セミナー
平成25年6月7日(金) 17:30より
杉山淳司(生存圏研究所・教授)

木のミクロな仕組みから分かること、見えること。

 

ハーバリウムHerbariumとは、ラテン語(herba草+ariumに関する場所)に由来し、植物標本室のことであることは一般に知られるところでしょう。植物学者が分類の仕事に従事し、新種を発見したり、標本の整理をするところです。ザイレムxylem(木部の意)と併せて、Xylarium、つまり木材標本室が存在することをご存知でしょうか。実は、イギリスのロンドン南西部にあるキュー王立植物園が中心となって、世界中のXylariumのディレクトリーを作製しており、インターネットで検索することができます。Xylariumは、木材の標本を採集し、整理・管理し、また世界中の同様の施設と材の交換を行います。この作業によって資料が分散管理されることになり、貴重な学術資料として、また生物多様性に関わる生物標本として維持管理されています。木材解剖学、樹木生理学、年輪学、保存学などの研究の中心となっている場合が少なくありません。

京都大学のXylariumは材鑑調査室という名前で呼ばれています。他の施設に比べて特徴のある木材標本は、図1に示すような歴史的建築物由来の古材です。これら材鑑調査室のコレクションの一部は、大学のオープンキャンパス、講習会、講演会の際に一般公開しています。また、生存圏研究所の全国共同利用・共同研究の資質としても利活用されています。

 図1 法隆寺五重塔心柱。この円盤には354年輪が記録されており、年輪年代学の手法から、西暦241年から594年の年輪であることが推定されている。

日本書紀には、ヒノキは宮殿に、スギとクスノキは船に、コウヤマキを棺にと記載されていますが、この内容は、物性、耐久性、加工性などを考えると現在でも合点のいく選択です。つまり、この時期すでに、長い経験に基づいた用材選択の知識があったということです。さらに、古い遺跡から出土する木材を調べても同様、道具それぞれの用途に応じた木材が出土しています。適材適所という字面通りの、木の文化が我が国には存在するといわれる所以です。

近年、文化財の修理の際における樹種判定について、科学的調査の必要性が唱えられており、我々もその活動に協力して、文化財保存および調査研究に資する記録を蓄積しています。ただ、樹種の識別に供される試料の採取については、所定の修理所を通して行なわれるのですが、その際、採取部位は施工の必要上生じた木屑、もしくは像内、像底等で材質劣化により脱落しかかった微小片などをその対象とし、原則として彫刻表面からの採取は行ないません。したがって、観察用木片が極めて小さくあるいは脆い場合もあり、図2に示す一般的な光学顕微鏡観察ができるようなサンプルは調製できません。

そのような文化財サンプルに関しては、X線トモグラフィー(CT)などの非破壊的な手法をもちいて取り組んでいます。一例として図3に、興福寺の国宝世親立像の微小片のサンプル像、断層像、立体像を示します。識別結果はカツラでした。

 図2 ケヤキの光学顕微鏡像。左から木口面、柾目面、板目面。サフラニン染色。木口面に観察される直径の大きな孔が孔圏道管(春先にできる道管)で、小さく泡状に集まり、集合体として接線方向に帯状に伸びているのが孔圏外道管である。この2種類の細胞の配列がケヤキ独特の美しい木目の正体である。

  図3 国宝世親立像(興福寺)の微小木片より得られたCT像。

また、樹木の年輪の幅の経年変化、また個々の年輪に含まれる放射性炭素や、炭素や酸素の安定同位体を調べることで、その木材の生きた年代、木材の地域性や、環境変化、気候変動など、過去のイベントを推定することが可能になりつつあります。

このような研究が可能となるのは、木材が二酸化炭素と水を利用して形成され、その時の時間と空間を構造内に固定するためです。さらに、それが難分解性の物質として細胞壁に蓄積されることで千年を越すスパンで情報が蓄積されます。したがって、石油代替のバイオマス資源としていかに効率的に分解するかが議論される一方、その難分解性ゆえに残される歴史的な史実や気候変動等の情報を与えるタイムマシンとしても注目を浴びています。

以上、簡単に紹介しましたとおり、今回のセミナーでは、木のミクロ構造に関連する基礎的なお話と、木の科学の学際的な側面を紹介させていただきます。皆様ぜひお越しください。