附置研究所・研究センター


最終更新日
2016/07/27


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京都大学附置研究所・センター
Kyoto University Institutes and Centers (KUIC)


第70回品川セミナー
平成28年3月4日(金) 17:30より
田畑 泰彦 (再生医科学研究所 教授)

細胞を元気づけて病気を治す−再生医療の全体像を知る−

 

再生医療とは、体本来のもつ自然治癒力を高め、病気を治す医療である。この自然治癒力の基である細胞の増殖、分化能力を高めるためには、細胞自身の研究に加えて、細胞周辺環境を材料で作り与え、細胞を元気づけることが必要となる。本講演では、細胞力を活用した治療である再生治療および細胞力を調べる再生研究における材料技術の必要性と重要性を強調する (図1)。

再生とは、失われた体が再びよみがえる現象である。これは生物の基本的な生命維持プロセスである。イモリやプラナリアでは、この再生現象は古くから知られ、その生物メカニズムも解明されている。しかしながら、哺乳動物では再生現象は比較的起こりにくく、その解明も必ずしも進んでいるとはいえない。再生治療とは、この再生現象を利用して病気を治療しようとする試みであり、その最終目的は患者の治療である。体に本来備わっている自然治癒力を促し、病気を治す。自然治癒力の基になっている細胞の増殖、分化能力(細胞力)を人為的にコントロールするとともに、それを活用して生体組織の再生修復を実現する。

体は、基本的に2つのものからなっている。それは細胞とその周辺環境である(図2)。周辺環境のイメージを理解しやすくするために細胞をヒトにたとえてみる。いかに丈夫なヒトでも、家や食べ物がなければ弱ってしまう。これは細胞においても同様である。いかに能力のある細胞でも、家や食べ物が不足すれば、本来の能力を発揮することはきわめて難しい。細胞の家にあたるものは、細胞の周辺を埋めている細胞外マトリックスである。食べ物にあたるものが細胞の増殖を促すタンパク質(細胞増殖因子)などである。細胞が元気な場合には、細胞は細胞外マトリックスも細胞増殖因子も自分で作る。しかしながら、病気や生体組織に損傷があるときには、細胞は弱っていて、それらの成分を作る能力が低下している。そこで、いかに元気な細胞を準備しても、それのみを体内に移植するだけでは、病気の体では細胞周辺環境が整っておらず、細胞力による再生治療効果は必ずしも期待できない。そこで、細胞力を高めるためには、細胞に周辺環境を作り与えることが必要不可欠となる。

再生医療には大きく分けて2つの分野がある。その1つ目が病気を治す再生治療である。もう1つが再生治療を科学的に支える再生研究である。再生研究には2つの出口がある。その1つ目は、細胞の元気度と細胞の天然の食べ物や家を調べる基礎的な細胞研究である。もう1つが、細胞の食べ物である薬を創る創薬研究である。

再生修復したい病気の部位に3次元の細胞の家(一般には足場と呼ばれている)を与えることによって、周辺組織にいる元気な細胞が足場へ移動、そこで細胞力を介した生体組織の再生修復が起こる。

創薬研究によって細胞の食べ物を得ることは可能となる。しかし、細胞を元気づけるためには、食べ物を細胞にうまく届けることが重要である。このために必要となるのがドラッグデリバリーシステム(DDS)技術である。DDSは、これまでの発展の経緯から、ドラッグ=治療薬=薬治療という固定概念にとらわれ、薬治療のための技術であると考えられていることが多い。しかしながら、DDSとは、体外、体内に関係なく、不安定かつ作用部位の特異性もないドラッグ(ある作用をもつ物質)の動き材料と組み合わせて、最大の作用を得るための技術・方法論である。弱っている細胞に食べ物を効率よく届ける技術はまさにDDSである。例えば、体内で吸収消失する安全なゼラチンハイドロゲルを用いることで細胞増殖因子タンパク質を徐々に放出(徐放)させることが可能となり、このタンパク質により元気になった細胞能力を介して様々な生体組織の再生誘導が実現されている。塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)あるいはインシュリン様増殖因子(IGF)の徐放化による血管や神経再生あるいは難聴の臨床治療が始まっている。加えて、徐放化bFGFによる血管再生技術は、細胞移植の治療効果を高めている(図3)。

細胞の元気度と細胞の天然の食べ物や家を調べる細胞研究には、細胞の培養が不可欠である。しかし、現在の細胞培養ではプラスチックス皿と人工栄養液(細胞培養液)とを用いて行われている。これらは人工物であり、細胞が体内で接している環境とは大きく異なっている。そこで、このような環境の下で細胞を正しく調べることには限界があり、今後の細胞研究の発展には、体内の細胞環境に近い性質をもつ培養材料の研究開発が必要となる。再生治療のための足場は培養材料にも応用展開できる。材料の表面性質やバルク構造および、培養装置の改良、細胞の機能改変などに関する材料技術の発展は細胞研究を発展させる。また、前述のハイドロゲルは、基礎研究で見つけられたタンパク質、ペプチドや核酸物質の作用を調べる時にも、細胞機能の解析や改変のための遺伝子導入にも有用である(図4)。このように、細胞研究のための培養材料や試薬の開発も重要な再生医療であることを忘れてはいけない。もちろん、細胞研究の成果は、創薬研究、さらには次世代の再生治療の進歩につながっていく。

再生医療には、治療と研究の2つの重要な分野がある。このいずれに対しても、材料技術の重要性はきわめて大きく、その発展がなければ、再生医療の今後の展開は難しいことは疑いない。一般には、再生医療=再生治療=細胞移植というイメージが強い。これはiPS細胞などの潜在能力と患者さんの期待感から当然のことである。しかしながら、現時点では、細胞の生物医学が必ずしも完全には解明されていないこと、また、細胞力の制御も科学技術的に限界があることなどを認識しておくことが必要である。現在、細胞の家、食べ物、DDSなどの材料技術をうまく活用することによって、体内にある細胞を元気づけ、自然治癒力を高める再生治療が現実のものとなってきている。大学と企業とが一団となって、再生治療とともにそれを科学的に支える細胞研究や創薬研究に必要不可欠な材料技術を大きく発展させてもらいたい。「ものづくり日本」の腕の見せどころである。


図1


図2


図3


図4